「ユキカウ セカイ」


     「…他人の夢に忍び込むとは、ずいぶんと行儀がよろしいようですね、ボンゴレ?」
     警戒が透けて見えるだろう声音で問う。
     《ボンゴレ》の部分に韻を置けば推定・沢田綱吉は薄く苦笑した。
     ますますもって疑いが深まる。
     だが、あくまでもここは骸の夢の内。
     己が領域であいまいなものが存在するはずもない。つまりは、《コレ》は沢田綱吉以外の何者でもないのだ。



                                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



     「強情なのは貴方でしょう。」
     「毎度毎度こりずに家出するお前には言われたくないよ。」
     ため息を吐いて。するりと滑らされた指。
     つながれた手のひらに骸は芯が冷えていくのを感じる。
   
  分かりやすい嫌悪を受けながらそれでも綱吉は手を離さず。必要以上に力を強めもせずに歩き出す。